2008年11月6日

コミュニケーションをデザインするための本

「コミュニケーションをデザインするための本」という本を読みました。

僕は広告業界に携わる人間ではないですが、この本はとても面白かった。
広告業界に興味を持っている就活生は読んでおいて損のない本だと思います。
というか読んでください。

少し紹介させて頂きますが、この良さは読まないと分からないと思うので是非買ってじっくり読んでください。

著者の岸勇希さんは電通で「コミュニケーション・デザイナー」という役職をおり、
自ら手がけた事例をベースにコミュニケーションデザインとはなんぞやと紹介してくれています。(永谷園の「ミス冷え知らず」や、ワールド通商「求む天才」、フマキラーの「一発命虫キャンペーン」など

この本は4つの章から構成されていて

第1章では、コミュニケーション・デザインが求められるようになった背景ともいえる、広告業界の今について分かりやすく解説しています。

第2章は、著者が携わった7つの事例を解説した事例集です。単にキャンペーンの概要紹介ではなく、クライアントから提示された課題の内容から、プランニング時の思考プロセスに至るまで、かなり具体的かつ詳細に紹介しているドキュメンタリーです。

第3章は、実例を通じて体系化されたプランニング・プロセスやコミュニケーション・デザインの原則などをまとめています。コミュニケーション・デザインのノウハウの詰まった章です。

第4章は、著者が現在チャレンジしている最先端の切り口について紹介しています。広告の最先端を垣間見て下さい。

以下は僕が気になった部分。

更にこの本で僕が一番おもしれー!!となったのが第3章
コミュニケーション・デザインとはなんぞやだけではなくそのプランニング・プロセスまで詳しく書いてくれています。

⇒ソーシャルインサイトとクライアントインサイト
(『思い込まない。自分の肌感覚を疑う。自分の肌感覚をインサイトで検証』
例として、女子高生はケータイ依存症であるというのは思い込みで、実際は、過半数の女子高生はケータイを忘れても取りに戻らないという例を出しています。)

⇒ゴールデザイン(『誰をどうしたくて、その為に何をすべきかを考える』つまり、広告キャンペーンというと、条件反射的にテレビCM案やWEBサイトの企画を考えてしまうが、『誰が、どのような状態になっていることで課題が解決されるのかというゴールイメージから逆算して考えるようにしている』)

⇒ターゲットインサイイトの徹底把握(誰にどうコミュニケーションを取るのか、ターゲットの選定からコミュニケーションの方向性を規定する)
⇒キーアイディア(コアアイディア)の開発
⇒クリエイティブ+メディアプランニング
⇒キャンペーンプランニング
⇒チューニング
⇒リザルト

というのがコミュニケーションデザインのプランニングプロセス。

この本に書いてあることは広告業界だけでしか適応できないような狭いモノではないと思う。

コミュニケーションというのは僕たちに欠かすことのできない能力であり、それをデザインするにはどうすればいいのか。

そういう見方で読むのも面白いかもしれません。

最後に気になった部分の抜粋を紹介して終わりにします。

・例えばクライアントから「傘が欲しい」と言われれば、一生懸命「最高の傘」を用意すると思います。一流になればなるほど、徹底的に優れた傘を用意するでしょう。しかしそれゆえに、本当は「濡れたくない」という、本質的な課題にあえて触れないようにしたりします。なぜなら「傘が欲しい」とオーダーされているからです。本質に立ち戻れば「雨の降らない時間を教えてあげてはどうだろう?」「地下道をつくってあげれば、絶対濡れないよね?」と、傘よりも適切な方法を思いつくこともあるわけです。

・誰をどうしたいのか、その為にはどうすればいいのか。

・コミュニケーション・デザインでは、本質かつ正論と徹底的に向き合うスタンスでプランニングを行います。

・“思い込まず、自分の肌感覚を疑っていく”。この視点が今、極めて重要なのです。

・コミュニケーション・デザイナーには、鋭い肌感覚とともに客観的データを読み解く力、そして今の空気を正しく読み取る力が必要とされるのです。

・クライアントから提示される課題に対して「なぜそのような課題になったのか」、また「その課題に応えることで本当にクライアントの求める成果をだせるのか」について改めて考えることも私たちの大切な仕事になってきています。つまり、オリエンテーションを疑ってかかるということです。少なくともクライアント以上に世の中のことを知る努力をして然るべきであり、そういった知見からクライアントの課題の本質を見極める能力が「クライアント・インサイト」なのです。

・最も大切なのが、テレビCMやWEBといったメディア(手段)から考えないということです。私は広告コミュニケーションを展開した後、誰が、どのような状態になっていることで課題が解決されるのかというゴール・イメージから逆算して考えるようにしています。

・仕組みでなく気持ちをデザインする。

・最終的に“人が動く感じ”がコミュニケーション・デザインにとって一番大切なことであり、厳密に定義しなかったのも、人それぞれのやり方、考え方があってしかるべきだと思うからです。

・「圧倒的に“面白い”モノ(情報)」。これこそ、私がいま強く興味を持っているものです。時間争奪戦が激化し、広告は今まで以上にコンテンツに近づいていかざるを得なくなってきていると思います。

・コミュニケーション・デザインに一番大切なことは情熱

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

良書らしいですね!
今度読んでみようかなっと。

Greene3回 大輝